キッチントレーラー vs キッチンカー:屋台営業で利益を最大化するには?

コラム

投稿日: 2024年12月17日

はじめに

 

移動型フードビジネスは、低コストで始められ、自由度の高い業態として注目されています。その中で、「キッチントレーラー」と「キッチンカー」は多くの事業者が直面する選択肢です。本記事では、実際の事例やデータを基に、両者を比較しながら、特にキッチントレーラーが持つ優位性について詳しく解説します。あなたのビジネスに合った最適な選択を見つけるための参考にしてください。

 

目次

 

1. キッチンカーとキッチントレーラーの基本概要

 

 

東京都内の人気イベントに出店しているお店の運営内容を詳しく見てみましょう。

キッチントレーラーを活用して月商200万円以上を達成している事例です。

 

出店場所:大型イベント会場や都市公園

メニュー:グリル料理(ステーキ、ホットドッグなど)とドリンク類

スタッフ人数:4人(調理2人、接客2人)

営業時間:午前10時~午後8時

月商とコスト:売上200万円、コスト(食材、人件費、燃料費など)120万円

出店料:イベントごとに10万~20万円


2. 機動力と営業エリアの可能性

 

キッチントレーラーとキッチンカーを比較すると、移動の仕方や営業エリアでの活用法が異なります。

 

キッチントレーラーの利点

 

・大型イベントでの信頼性

トレーラーはしっかりとした設置が可能で、大規模イベントでも安定した運営ができます。また、調理スペースの広さを生かし、多くの来場者に対応可能です。

 

・長期的な設置に強い

観光地やテーマパークで1週間以上の出店を行う場合にも、トレーラーは適しています。一度設置すると牽引車を別の用途に使える点も利点です。

 

 

キッチンカーの利点

一方で、キッチンカーは軽快な移動が得意で、都市部や短期間のイベントに適しています。ただし、頻繁な移動を前提とするため、安定した収益を上げるには営業場所の確保が重要です。

 

事例:千葉県の観光地で地元特産品を販売しているトレーラー業者では、長期設置型の運営で月商300万円を達成しています。観光バスの駐車場に併設し、回転率を上げています。

 

 

3.コスト比較:初期費用とランニングコスト

 

次に、キッチントレーラーとキッチンカーのコストを具体的に比較します。

 

初期投資

・キッチントレーラー:本体360万円+牽引車250万円=合計610万円

・キッチンカー:一体型車両700万円

 

キッチントレーラーはキッチン部分と車両部分を分けて購入できるため、既存の牽引車を使用すれば初期費用をさらに抑えられる可能性があります。また、トレーラー本体のカスタマイズ性が高く、調理設備を自由に選べる点も魅力です。

 

 

ランニングコスト

・キッチントレーラー:牽引車の燃料費+駐車場代(月3~5万円)

・キッチンカー:車両の保険・燃料費・車検(年間10~15万円)

 

全体的に見ると、トレーラーの方が維持費を抑えやすい傾向があります。特に長期間設置する営業形態では駐車場代のみで済むため、コストを効率的に管理できます。

 

 

4. メニューの自由度と提供効率

 

 

調理スペースの広さと設備の柔軟性は、メニューの多様性に直結します。

 

キッチントレーラーの強み

・大型の調理器具(オーブン、フライヤー、炊飯器など)を設置可能

・複数工程が必要な料理を同時に提供可能

 

 

キッチンカーの特徴

・限られたスペースで効率よく調理する設計

・軽食やドリンクなどシンプルなメニューに特化

 

事例:愛知県でピザとクラフトビールを提供するトレーラー型店舗では、石窯を設置し、地元食材を使った本格料理で人気を集めています。一方、キッチンカーを使う軽食専門店は単価の低さが課題となっており、売上の安定に苦労している状況です。

 

 

5. 営業許可と法規制の違い

 

どちらを選ぶ場合も、営業許可と法規制をクリアする必要があります。

 

キッチントレーラーの特徴

・調理設備に基づいた保健所の検査を受ける必要あり

・駐車スペースや牽引に関する規制が適用される場合がある

 

キッチンカーの特徴

・車両そのものが保健所の基準を満たしていれば許可取得が容易

・都市部での移動営業が許可されやすい

 

アドバイス:出店エリアのルールを事前に調査し、必要な手続きをスムーズに進めることが重要です。

 

 

6. どちらを選ぶべきか?ビジネスモデルに応じた選択

 

最後に、キッチントレーラーとキッチンカーの選び方を整理します。

 

キッチントレーラーが適している場合

・大規模イベントや長期的な設置を計画している

・メニューの幅を広げ、高単価の商品を提供したい

・広い調理スペースを必要とする

 

キッチンカーが適している場合

・都市部で頻繁に移動する営業を目指している

・軽食やドリンクなど簡易なメニューでの勝負を想定している



まとめ

 

キッチントレーラーとキッチンカーには、それぞれ異なる強みがありますが、特に利益を最大化したい場合には、キッチントレーラーの柔軟性と効率性が魅力です。広い調理スペースとメニューの自由度を活かし、売上の可能性を広げることができます。

一方で、キッチンカーの機動力は都市部や短期間の営業に強みを発揮します。最終的な選択は、あなたのビジネスモデルや目指す顧客層に応じて検討してください。本記事が、最適な選択をする一助となれば幸いです。