【キャンピングトレーラーの車検】安全と安心の旅のために

コラム

投稿日: 2025年05月28日

はじめに

キャンピングトレーラーでの旅は、自由と冒険に満ちています。

しかし、その自由を安全に享受するためには、定期的な車検が不可欠です。車検は、あなたの愛車が保安基準に適合しているかを定期的に確認する重要な制度。

安全な走行と環境保全のために、キャンピングトレーラーも適切な時期に車検を受ける必要があります。

キャンピングトレーラーの車検には、主に以下の3種類があります。

  • 新規検査: 新しいキャンピングトレーラーを初めて日本の公道で運行するために行う検査です。車両が新たに保安基準に適合しているかを総合的に確認します。
  • 継続検査: 現在使用している車両が、有効期間満了後も引き続き保安基準に適合しているかを確認する検査です。
  • 構造等変更検査: キャンピングトレーラーの車体の形状や装置などを変更した場合に、その変更が保安基準に適合しているかを確認するために行う検査です。

この記事では、キャンピングトレーラーの車検の中でも、特に重要な継続検査に焦点を当て、その準備から注意点、そして万が一の場合までを詳しく解説します。

目次

1.時期と有効期間

キャンピングトレーラーの継続検査の有効期間は、車両の種類や登録時期、車両の用途によって異なります。

  • 新規登録時: トレーラーの種類によって1年または2年
  • それ以降: 通常は2年ごと

詳しくはお手元の車検証をご確認ください。満了日を確認し、期限が切れる前に受けましょう。満了日の1ヶ月前から受けることが可能です。

もし車検の期限が切れてしまった場合、そのキャンピングトレーラーで公道を走行することは法律で厳しく禁止されています。違反した場合の罰則は以下の通りです。

  • 違反点数: 6点
  • 罰則: 30万円以下の罰金または6ヶ月以下の懲役

さらに、自賠責保険も切れている場合は、さらに罰則が加算されます。車検切れのトレーラーを移動させる場合は、必ず仮ナンバー(臨時運行許可)を取得するか、陸送業者に依頼するようにしてください。

2. スムーズな車検のために

継続検査を受ける際には、以下の書類などを事前に準備する必要があります。

  • 車検証: 有効期限を確認しましょう。
  • 自賠責保険証明書: 有効期間内のものを用意します。
  • 自動車税納税証明書: 納付済みのものが必要です。
  • 印鑑: 認印で構いません。
  • (ある場合) 点検整備記録簿: これまでのメンテナンス状況が分かります。

これらの書類が揃っているか、事前にしっかり確認しましょう。

3.どれくらい時間がかかる?

一般的な継続検査の流れと期間の目安は以下の通りです。

1.予約: 車検を受ける業者や検査場に予約を入れます。

2.入庫/持ち込み: 予約日に車両を持ち込みます。

3.検査・整備:
ディーラー・専門業者に依頼した場合: 通常、1日〜数日程度で完了することが多いです。点検・整備と検査をまとめて行います。
自分で運輸支局・軽自動車検査協会に持ち込んだ場合(ユーザー車検): 検査自体は数時間で終わることが多いですが、事前に自分で点検したり、不備があれば整備したりする時間が必要です。

4.料金支払い: 車検費用を支払います。

5.新しい車検証の受け取り: 検査に合格すれば、新しい車検証とステッカーが交付されます。

修理が必要になった場合: 不具合の程度や修理内容によりますが、部品の取り寄せや作業時間が必要となるため、数日〜数週間程度期間が伸びる可能性があります。事前に業者と相談し、修理期間の目安を確認しておきましょう。

4. ディーラーに頼んだ場合は?

継続検査の費用は、依頼する業者や車両の状態によって大きく異なります。ディーラーに依頼した場合、一般的には法定費用整備費用がかかります。

  • 法定費用: 自動車重量税、自賠責保険料、検査手数料が含まれます。これらは法律で定められた費用であり、どこで車検を受けても基本的に金額は変わりません。トレーラーの重量や種類によって異なりますが、数千円〜2万円程度が目安となります。
  • 整備費用: 車両の状態によって大きく変動しますが、ディーラーの場合は丁寧な点検や純正部品の使用などが含まれるため、2万円〜10万円以上となることが多いです。整備費用を含めた総額は、3万円〜12万円以上になることもあります。

事前に見積もりを取り、内容と費用をしっかりと確認することが大切です。

5. 日常点検で不備を見つけるポイント

継続検査をスムーズに通過するためには、日頃の点検が重要です。以下のポイントを参考に、日常点検で不備がないか確認してみましょう。

灯火類の確認: エンジンをかけ、ブレーキペダルを踏んだ状態でブレーキランプ、ウインカー、ハザードランプ、ヘッドライト、テールランプ、ナンバー灯が正常に点灯するかを目視で確認します。トレーラー連結時は、牽引車との接続部分の接触不良も確認しましょう。

ブレーキの確認: 平坦な場所でブレーキペダルを踏み込み、しっかりと制動するか確認します。可能であれば、低速走行時にブレーキをかけ、異音や引っかかりがないかも確認します。トレーラーにブレーキが付いている場合は、作動確認も忘れずに。

タイヤの状態: タイヤの溝の深さ、ひび割れ、損傷を目視で確認し、空気圧も定期的にチェックしましょう。

連結装置の確認: ヒッチメンバー、カプラーなどにガタツキ、サビ、損傷がないか、ロック機構がしっかり機能するかを確認します。

車体の外装: 目立つサビ、腐食、突起物がないか、窓ガラスにひび割れがないかを確認します。

これらの点を日常的に意識して点検することで、車検前に不備を発見しやすくなります。

もし継続検査に通らなかったら?再検査について

一度目の検査で不合格となり、整備・修理後に再度検査を受ける場合、再検査料がかかることが一般的です。再検査料は、検査を受ける場所によって異なり、運輸支局などでは数百円程度、民間の業者では無料〜数千円程度と幅があります。事前に確認しておくと安心です。

車検切れになってしまったら:公道を走れないことの弊害と移動手段

車検の有効期限が切れてしまうと、そのキャンピングトレーラーは一切公道を走行することができません。違反した場合の罰則は非常に重いため、絶対に避けるべきです。

自宅に保管している車検切れのキャンピングトレーラーをディーラーや整備工場へ運ぶ主な手段は以下の通りです。

仮ナンバー(臨時運行許可)の取得

陸送業者への依頼

牽引して運ぶ(牽引免許が必要な場合あり)

ご自身の状況に合わせて、適切な方法を選択してください。

まとめ

キャンピングトレーラーの継続検査は、安全で快適な旅を続けるための重要なプロセスです。有効期間をしっかりと把握し、余裕をもって準備を行いましょう。日頃の適切なメンテナンスが、車検をスムーズに通過するための鍵となります。

【Q&A】気になる疑問を解消

Q: ユーザー車検(自分で運輸支局などに持ち込む)と業者に依頼する車検の違いは何ですか?

A: ユーザー車検は費用を抑えられる可能性がありますが、車両の点検や検査ラインでの作業を自分で行う必要があります。専門知識や時間が必要となります。一方、業者に依頼する車検は、点検・整備から検査などを代行してくれるため、手間がかかりませんが、その分の費用が上乗せされます。

Q: 車検の時期が近づいてきたら、早めに予約した方が良いですか?

A: はい、早めの予約をおすすめします。特に繁忙期は予約が取りにくいことがあります。

Q: キャンピングトレーラーの車検で、特に見られる部分はありますか?

A: 灯火類、ブレーキ、連結部分、タイヤの状態は特に重点的に見られます。

Q: 再検査料は一台いくらくらいですか?

A: 検査を受ける場所によって異なり、数百円〜数千円程度です。