キャンピングトレーラーとキッチントレーラーの違い
投稿日: 2024年11月24日
はじめに
トレーラー文化の始まり
キャンピングトレーラーやキッチントレーラーの人気の背景とは?
アウトドア人気の高まりと働き方の多様化
コロナ禍を契機に、人混みを避けながら自然を楽しむアウトドアの需要が急増。
キャンピングトレーラーはキャンプ場や道の駅を拠点にしながら快適に過ごせる選択肢として注目されました。
街角やイベント会場で手軽にグルメを提供できるフードトラックは、初期費用が比較的低く、固定店舗を持たずに営業可能な点が人気の理由です。また、地域の特産品や地元料理を移動式で提供することで、新たな販路の確保や、祭りやフリーマーケットなどでの需要も高まっていることも人気の背景にあります。
トレーラーの多様な用途と、それぞれの魅力
キャンピングトレーラーは、テントを張るキャンプともホテルとも違い、移動しながらより快適な室内空間で過ごせる、新しい旅行スタイルです。
そのため、コロナ禍をきっかけに広がったリモートワークの場としても人気です。
一方、キッチントレーラーの主な用途は、屋外での料理の提供の場です。
所有者にとっては調理や食材管理のしやすさやお客様の目を惹く個性に富んだ外観がポイントで、トレーラー1台で多くの人に「美味しい!」を届けることができるのことが大きな魅力です。
また、地方創生や地域とのコミュニティ作りに一役買っていることもポイントで、イベント会場に好んで出店する方も多くいます。
目次
1. キャンピングトレーラーとは?
キャンピングトレーラーの概要
・牽引型
トレーラー自体にはエンジンがなく、専用の車両や乗用車で牽引して移動します。
・住居機能を搭載
キッチン、ベッド、トイレ、シャワー、冷暖房設備 などが充実
・多様なサイズとタイプ
軽量で手軽なものから、家族が快適に過ごせる大型モデルまでさまざま。用途や人数に応じて選択できます。
レジャーや旅行での利用シーン
・アウトドアやキャンプ
キャンプ場での宿泊や道の駅、RVパーク(キャンピングカー専用施設)での利用が一般的。移動中でも快適に過ごせる点が魅力です。
・旅行や長期滞在
長期間の旅行や、季節限定で別荘代わりに使用されることもあります。
2. キッチントレーラーとは?
キッチントレーラーの特徴
・移動可能な店舗
営業場所を自由に選択ができることで、ターゲット層に合わせた場所選びが可能。
・初期費用と運営コストが低い
固定店舗より経済的であることが多く、参入のリスクが比較的低めである。
・SNSや口コミと相性が良い
トレーラーの外観やメニューがSNS映えすることで拡散されやすく、効率的に集客が可能。
主な用途
・ビジネス街
お昼休憩でさっと食べたい方をターゲットとした移動販売
・イベント・フェスティバル
屋内外問わず多くの需要に対応することが可能
主な設備
キッチントレーラーは、限られたスペースながら効率よく営業を行うため、必要な調理設備や衛生設備が揃っています。
調理設備
・ガスコンロまたは電気コンロ
・オーブンまたはグリル
・フライヤー
・ホットプレートまたは鉄板
・蒸し器やスチーマー
・ドリンクディスペンサー
・アイスクリームマシン
食品保存設備
・冷蔵庫・冷凍庫
・ストレージ棚や収納スペース
給水・排水設備
・シンク(手洗い・調理用)
・給水タンク
・排水タンク
・換気扇または排気ファン
・煙突やフードダクト
電力設備
・発電機または外部電源接続装置
・ソーラーパネル(オプション)
・電気配線・コンセント
衛生管理設備
・消毒設備
・衛生保護用品
・温度管理計器
接客・サービス設備
・注文カウンター
・メニューボード
・キャッシュレス決済端末
照明・内装設備
・調理用ライト
・装飾照明
・装飾棚やポスター
3. キャンピングトレーラーとキッチントレーラーの違い
構造や設備の違い
キャンピングトレーラーは、移動しながら快適に生活するための設備を備えており、リビングスペースやベッド、簡易キッチン、トイレ、シャワーなどの住宅設備が整っています。主に居住性を重視した構造で、アウトドアの長期滞在に適しています。
一方、キッチントレーラーは飲食物を販売するために特化した設備が特徴です。大型の調理機器や冷蔵・冷凍設備、販売窓口が中心で、居住スペースはありません。営業場所に応じて発電機や外部電源を利用し、顧客の目を引く外装デザインや注文カウンターを備えることが多く、商業活動に適した構造に。
このように、キャンピングトレーラーは「生活空間としての機能」を重視し、キッチントレーラーは「飲食販売の効率性」を重視して設計されている点が大きな違いです。
法規制や許可要件の違い
キャンピングトレーラーは個人利用が中心となります。牽引免許や車両登録は両者に必要ですが、キッチントレーラーはその他に営業用車両としての手続きが必要となることが大きく異なる点です。
キャンピングトレーラー
・牽引式車両として登録
・自動車保険にトレーラーの追加登録
キッチントレーラー
・営業用車両としての登録
・保健所の食品営業許
・消火器や排煙設備の設置
・事業用保険(例:PL保険など)への加入(推奨)
使用目的やターゲットの違い
キャンピングトレーラーはレジャーや旅行を楽しむための生活空間として利用され、アウトドア好きの家族やシニア層の方に好まれている。
キッチントレーラーは飲食物の販売を目的とし、起業家やイベント出店を狙う事業者に支持されている。
4. キッチントレーラーからキャンピングトレーラーへの転用は可能か?
「今持っているトレーラーの仕様を変更したい」や「外観は気に入っているけど仕様変更できるかな?」と思う方もいらっしゃるのではないでしょうか?変更可否やその課題について見ていきましょう。
機能変更の可否とその課題
1.法的な問題
・営業許可や車両登録の再申請
・消防法や建築基準法に基づく設備基準を満たす必要があり、コストや時間がかかる。
2.設備コスト
大がかりな改装が必要で、特に電気配線や給排水設備の変更は費用が高額になることが多い。
3.用途に応じたデザインの課題
キャンピングトレーラーをキッチントレーラー化する場合、換気設備や販売カウンター設置が難点となる。
4.耐久性や安全性
もともとの設計用途が異なるため、火器や調理機器の使用に伴う安全対策や断熱性能の調整が必要。
5.市場ニーズとの整合性
改造後、トレーラーの利用目的が市場ニーズに合わない場合、収益性が低くなる可能性がある。
このように、どちらから変更するにも再申請の必要や設備の入れ替え、安全性の確保など必須項目が多くあります。
変更を検討の際事前によく調べることおすすめします。
実際の事例を参考に見てみましょう。
実際の事例や専門業者の対応状況
キャンピングトレーラーをキッチントレーラーに改造
事例:アウトドアブランドがキャンピングトレーラーを利用して移動販売車に改造し、飲食物やアウトドア用品を販売。
改造内容:内装を調理可能な仕様に変更し、換気設備や販売窓を追加。保健所の許可を取得。
結果:移動販売を活用してイベントや観光地での販売活動を展開し、成功した例が報告されている。
キッチントレーラーをキャンピングトレーラーに改造
事例:地方自治体が災害時の備えとしてキッチントレーラーを多目的用途に改造し、移動式の宿泊スペースとして活用。
改造内容:調理設備を撤去し、ベッドやシャワー、簡易トイレを追加。断熱や電源設備を強化。
結果:災害時の一時的な避難用施設として機能。普段は地域イベントでも活用。
専門業者の対応状況
キャンピングトレーラーやキッチントレーラーのカスタマイズを行う業者が存在し、個人の要望やビジネスプランに応じた設計変更が可能。
1.設計とデザイン
・内装変更や設備追加に応じた図面の作成や施工計画。
2.設備取り付け
・換気扇や調理機器、電源設備、断熱材などの取り付け。
3.法的手続きサポート
・保健所の食品営業許可取得や消防法に基づく改造対応。
・具体的な業者の対応事例
・国内メーカー(例:株式会社フジカーズジャパン)
新規購入だけでなく、顧客の用途に応じた改造サービスを提供。特にキッチントレーラーの導入後、商業仕様への改造やカスタマイズに力を入れている。
・輸入トレーラー専門店
海外製トレーラーをベースにしたカスタムも可能で、個性的なデザインを希望するユーザーに対応。
課題
改造費用が高額になる場合が多い(100万円以上のケースが一般的)。また、法的基準を満たすための調整が複雑で、手続きの手間がかかるため、用途や予算に応じた事前計画が重要です。
5. 注意点と選ぶ際のポイント
購入・改造の際に注意すべき点
1.法規制の確認
2.安全性の確認
3.改造費用の見積もり
4.メンテナンスの容易さ
自分の用途に合った選び方
1.キャンピングトレーラーの場合
・使用頻度:週末の短期利用か長期旅行かに応じて、サイズや設備を選択。
・収容人数:家族やグループでの使用なら広めのモデル、一人旅ならコンパクトモデルを検討。
・快適性:断熱性や冷暖房設備が充実しているモデルがおすすめ。
2.キッチントレーラーの場合
・販売品目:飲み物や軽食など簡単なものなら小型で十分だが、フライヤーやオーブンが必要な場合は大型モデルが必要。
・営業場所:移動範囲に応じて、軽量で取り回しやすいものを選ぶ。
・見た目のデザイン:顧客の目を引く外装やカラーリングも重要なポイント。
3.兼用モデルの検討
・キャンピングトレーラーとしてもキッチントレーラーとしても使用できるような柔軟性の高いモデルを検討するのも一つの選択肢。
維持費や運用に関する考慮事項
1.維持費
・保険料:使用目的(個人用か商業用か)によって保険料が異なるため注意。
・車両税:トレーラーの登録重量によって税額が変動する。
・燃料費:牽引車両の燃費が悪化するため、移動範囲が広い場合はコストが増える。
2.運用コスト
・修理・メンテナンス費用:定期的なタイヤ交換、電気設備の点検、清掃が必要。
・設備の更新費用:特にキッチントレーラーでは、調理機器や冷蔵設備の更新費用がかかることがある。
3.保管場所
・トレーラーは駐車スペースが必要で、自宅に十分なスペースがない場合は月極駐車場を借りる必要がある。
4.営業活動に関する費用(キッチントレーラーのみ)。
・営業許可の更新費用や、出店料、イベント参加費などが発生する。
さいごに
キャンピングトレーラーとキッチントレーラーは、それぞれ異なる魅力と用途を持つトレーラー文化の象徴です。
購入や改造の際には、自分の目的に合った選択をし、法規制や維持費などの課題をしっかりと考慮することが大切です。快適なアウトドアライフや移動販売の成功を目指して、用途に応じたトレーラー選びを楽しんでください。